脳みそキャリブレーション

思ったこと、感じたことを書く取り止めのないブログです。自分の考えを整理するために書いていますが、誰かにとって新しい視点を与えられたら幸いです。

音楽フェスで感じたプロ意識

8月も半分を切り、夏真っ只中で暑い日が続きますね。

暑いと外へ出る気力もなかなか出てこないものですが、先日、友達に誘われてロックインジャパンに行ってきました。

ロックインジャパンはいわゆる音楽フェスで、毎年8月に茨城のひたち海浜公園で開催され、今年はちょうど20周年目とのこと。

何も知らずに行ったのですが、思いがけずロックインジャパンの節目に立ち会えてラッキーでした。

また、僕はロックインジャパンを含めて音楽フェスに行くの初めてだったのですが、色んなアーティストのライブを体験することができて大いに楽しめました。

ありがとうロックインジャパン

 

ところで、このロックインジャパンに行って、音楽とは別に興味深い点がありました。

それは「ダイブ禁止」です。

僕が会場に到着したとき、ちょうど運営者が開催の挨拶をしていて、ロックインジャパンではダイブを禁止していると説明をしていました。

音楽フェス初参加でしたので、最初は何を言っているのかよく理解できなかったのですが、どうやら音楽フェスではライブ中に観客が観客の上に飛び乗ってダイブするということがよくあるようです。

運営者は、ロックインジャパンではそのダイブを禁止していると開会の場で宣言していたのです。

その時はそういうものなのかと思っただけだったのですが、このダイブ禁止は開会の場だけでなくライブ開始前には必ず舞台のスクリーンに表示され、何度も注意が促されていており、運営サイドはかなり念入りに周知していることに気づきました。

ダイブ禁止についてすごい力の入れようだなと思い、ライブの合間に少し調べてみると、ロックインジャパンの運営元が開催した2008年末のカウントダウンイベントでダイブによる事故が発生し、この事故で後遺症が残るほどの怪我を負った人が出たため、それからロックインジャパンの運営はダイブ禁止のルールを設定したそうです。

個人的には、そんな重大な事故が起きたら禁止にするのは普通というか当たり前だなという感覚なのですが、ネットにあるブログ投稿やそれに対する反応を見ると、ダイブ禁止はありえないみたいな発言がちらほらあり、ダイブ賛成派がそれなりにいて驚きました。

 

ダイブの是非については個人ごとの意見があり、良し悪しを決めるのは難しいと思います。(僕自身はもちろんダイブは禁止すべきだと思ってます。)

一方で、ダイブ禁止から分かる興味深いことがあります。

まず、ロックインジャパンがダイブ禁止を設定したのが2009年夏からで、すでに10年経ちます。

もしダイブ禁止が多くの人にとって受け入れがたいルールであれば、ロックインジャパンは不人気になりイベントとしてなくなるか、ダイブ解禁をして元どおりになるかのどちらかの対応を迫られることになります。

しかし、現実的にはダイブ禁止から10年経っても規模は大きくなる一方でイベントとして大成功しています。

ほとんどの人にとってダイブ自体はフェスを楽しむ上でそこまで重要じゃないし、ダイブから得られる楽しみと安全を差し引きすると安全を選択する人が沢山いると考えられます。

ダイブしたい人はダイブを許容している音楽イベントに行き、ダイブ禁止で問題ない人はダイブ禁止の音楽イベントに行く。

運営者がルールを設定して住み分けを促して、来場者に快適な場を作り込んでいるとも言えます。

 

また、ネットで調べた印象ではライブでダイブすることは一般的と思っている人もいるので、音楽フェス運営者としては、ダイブを禁止することは業界の空気からすると異常であると伺えます。

きっと普通の運営であれば一部のダイブ好きから猛反対を受けて、ダイブ禁止を決断するとこはできないのではないでしょうか。

ロックインジャパンには自分たちの考えに基づいて、自分たちのフェスをどのようにしたいかが反映されています。

この自分たちで考えた結果としてルールを決めているのは素晴らしいと思います。

もちろんダイブを許容している音楽フェスが何も悪いわけではありませんが、ダイブは重大な事故を起こし得るということを理解し、もし事故が起きたときにどのように対応するかルールや手順を考えて決めておく必要があるでしょう。

 

他にも、ロックインジャパンではトイレが沢山ある、グッズや食べ物の会計で電子決済ができる、荷物をクロークに預けられるなどの来場者に快適に過ごしてもらえるような工夫がありました。

あくまでも来場者目線がロックインジャパンの運営方針なのでしょう。

実際にロックインジャパンへ行った身として、運営のプロ意識を感じられる良い音楽フェスでした。

おそらく、こういった取り組みがダイブ禁止にもかかわらず規模を大きくし続けられる秘訣なのだと思います。

 

今後もこの運営が続くかは分かりませんが、少なくとも僕は来年もロックインジャパンに行こうと思います。